ポートフォリオ

デザイン学校に通い始めて先生から最初に言われたのが自分の作品集(ポートフォリオ)の重要性。「ちゃんとしたポートフォリオを作らないと就職出来ないぞ」と脅された。

ボクが社会人になったのがバブル期、当時は2年おきに転職した。広告業界とかデザイン業界というのは流行りのカタカナ職で人気の商売だったのかも知れない。残念ながらボクはそんな恩恵に預かることはなく連日安い給料で残業をしていたのだ。

グラフィック・デザイナーになってからは印刷された自分の作品をまとめたポートフォリオを抱えて転職活動をした。新聞の全面広告となると大きなファイリングブックが必要で、転職するたびにその量は増えていった。

最近、探し物をしていたら古いポートフォリオを開く機会があった。埃を被って膨らんだ黒いフォリオブックのページをめくりながら昔の拙いデザイン力に恥ずかしくなった。そろそろ捨ててもいい時期だなぁと感じた。

オーストラリアに移住してからはデザインをする際に使っていた三角定規とロットリングペン(古い!今では死語か?)はコンピューターに取って代わったが、それでも印刷物に愛着があったので従来どおりのポートフォリオだった。

しかし、アメリカに移住してからはデザイナーからプロダクションに転職したので、職業もデザイナーでさえない。転職にはラップトップを持って出かけるか、事前に自分のウェッブサイトを伝えれば相手は勝手にボクの作品を閲覧できる。それに55歳で転職など出来るわけもないので印刷物をまとめたポートフォリオは必要さえないのだ。時代の流れって早いねぇ。

今日は自宅勤務だったのでちゃっちゃとポートフォリオをゴミとして出してしまった。人によっては自分の過去の作品を捨てられない人がいるらしいが、ボクは過去の作品を眺めることは滅多にない、愛着すら無いと言ってもいい。広告デザインというのは時代によって変わるものだし、クライアントのために作るもの。自分の個性よりも「売れる」広告が優先される。だから仕事に関してボクは意識的に「無色」になることを目指した。デザイナーが強い個性で売れるのはほんの一握りだ。

最近デザインをして嬉しかったのは宮古島トライアスロンのポスターだけだ。あれはクライアントではなく、自分の好きな絵を描いて採用してもらったからだ。ただし、あの作品でさえ2度と見ることはない。だって面白いのは次の作品を作るプロセスなんだもの。

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