宮古島トライアスロン 第二ラン篇

第二ラン、走り出すと午後の陽射しが強く感じられた。
しかし、空気は相変わらず湿度が高く午後の苦戦を予感させる。

ガーミンを見るとキロ5分半くらい。
Vinemanの時に比べると脚の疲労は少ない。
バイクで体力を温存した作戦が功をそうしたようだ。
最初の10キロはキロ6分半を目安に走る。

ところが脚は動くのに息が上がる。
そして胃に差し込むような痛みとジワーッと
硬くなるような痛みが交互にやってくる。
こんな感覚は初めてなので走りながら原因を考える。

バイクでの給水が余りにも少なかった。
ひょっとして脱水症なのか?
それとも熱中症なのか?
最初のエイドステーションまで2キロである。
そこまで行けば水も氷もあるのでなんとかなる。

しばらくすると海からの厚い雲が陽射しを遮ってくれた。
日焼けの心配は無さそうだったのでCool Wingsを脱ぐ。
キャップも外す、結局最後まで背中のポケットに入ったままだった。

前を走る選手を見るとシングレットを着た選手は
露出した部分が日焼けで真っ赤になっていた。
陽が出たのはそんなに長くはなかったのだが
紫外線は曇りでもかなり降り注いだのだろう、恐るべし。

それにしても相変わらず息が苦しい。
心拍数を見てもたいした数値ではないのに走り続けられない。
そして一時間が過ぎた頃右脚の梨状筋が攣る。
うめき声を押し殺しながら左肩へ寄る。
しゃがみ込めば右脚もふくらはぎも攣りそうだったので
立ったまま硬直していたらボランティアの女性が
「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。
当然大丈夫ではない。www

ソルトタブレットを取り出したが水が無い。
道路の反対側にラーメン屋さんがあってその店主が
私設エイドステーションをされていた。
脚を引きづりながらそこまでたどり着き水をいただく。
それでソルトタブレットを流し込み溶けるのを待つ。
よくできたもので1分もかからずに効果があらわれる。

これ以降一時間おきにソルトを摂取しないと攣ることになる。
時々忘れてしまい二度悶絶した。
幸いソルトタブレットは14個持っていたのでラン中に切れる心配はない。

バイク中は特製ドリンクの中に電解質や炭水化物が
入っていたので痙攣は起きなかったのだが、ランでは充分な
カリウムが補給出来なかったのだろう。

息が上がるのも軽い熱中症ではないかと予想できた。
日焼け対策は万全だったのに身体も顔も異常に熱い。
エイドではスポンジで身体を冷やす事、氷をウェアの中に放り込んだ。
喉の渇きが酷かったのだが、エイドではコーラをコップに半分だけ飲み
氷を入れた紙コップの縁を折って走りながら氷をかじった。
これならば水分で胃が重くなる心配は無い。

ランコースは平坦だと思っていたら、
郊外に出ると向かい風に悩まされた。
そしてランの5分の一あたりで先頭集団が復路を走ってきた。
コースを下見していないのでこの先どんな坂があるのかわからない。
大阪のワンコさんから折り返し地点でキツい坂がある
と言われていたので戦々恐々であった。

この辺りになると走っている人と歩いている人が半々程度になってくる。
折り返し地点は島の最東端、まわりはサトウキビ畑。
宮古島名物の「宮古島まもるくん」と「みやこさん」が
ランナーたちを応援していた。
ここで関門があり、タイムアウトまで30分を残して復路。

この辺りで夕暮れ、とはいえ曇天なので綺麗な夕日は見えず暗くなっていくだけ。
ありがたい事に湿度が高くとも陽が暮れると気温は下がって楽になる。
息があがるのも改善されて何とか走りきれるかも?と希望が湧いてくる。
そこで後ろから来た小柄な若い女性選手に励まされた。

なぜだろう、この一言で諦めずに走り続ける事ができた。
この女性には伴走者がいた、若い男性がディパックを背負って
付かず離れず彼女と伴走しているのである。
男性が「あと何キロだから頑張ろう」と励ましているのが聞こえた。

きっと二人ともトライアスリートなのだろう、今回は抽選で
奥様だけが出場することになったのかも知れない。
微笑ましいなと思い、励ましてくれたことに感謝しながら
しばらく併走したが、ボクのペースが徐々に
上がってきたので途中で姿が見えなくなった。
ゴールしてからもあの二人はちゃんと完走できたのだろうかと気になった。

あと15キロを残していたが、以後は止まらずに走り続けられた。
夜7時半、市内へ向かう道の途中でゴールの陸上競技場で
花火が打ち上がるのが見えた。
後一時間、残りは8キロ程度、普段なら何とも無い距離だが
本当に間に合うのか?

沿道で応援してくれる人達が「大丈夫間にあうよ!」と言ってくれる。
脚は大丈夫、水と汗で靴の中はグズグズだがマメができた感じはない。
歩く選手たちを追い抜きながらゴールへの坂道をひた走る。
陸上競技場はサーチライトで昼間のように明るい。

過去二年ここで選手たちを応援して彼らの帰りを迎えてきたが、
今年は初めて迎えられる立場でトラックを走る。
アナウンサーがボクがポスターデザインで三年連続で優勝したと紹介し、
名前を呼ぶと観客から「あいつか!」とどよめきがおきた。www
タイムアウトまであと15分だった。

ゴールでテープを持ってポーズ。
メダルと完走シャツをもらって喜びをかみしめた。
コーラを飲み、宮古そばをいただいていたところで
二度目の花火が打ちあがった。
選手もボランティアも、沿道の応援者たちも
一緒になって楽しんだ一日がようやく終わった。

あなたの一押しが僕へのはげましです。
にほんブログ村 その他スポーツブログ トライアスロンへ
にほんブログ村

広告