Vineman -4- バイク篇

Vineman 25th anniversary 2014

バイクコースは一般道、道路封鎖されていないので
右側走行厳守(アメリカなので)で後ろからの車も気をつけないと行けない。

Screen Shot 2014-07-31 at 10.57.35 PM

最初は団子状態、遅い選手も速い選手も一緒なので非常に危険。
前を走るバイクからサイコンが落ちたと思ったら
いきなり後方確認せずにUターンされて危うく追突しそうになる瞬間あり。

路面はかなり荒れているがジミーさんに言わせれば
これが普通とのこと、道路のつなぎ目や
コンクリート劣化で荒れた表面が続く。
しかも場所によっては道の両端に深さ20センチ
幅30センチほどの溝がある。
ここに落ちたら落車だろうなぁと思いながら走る。

前を走る選手が遅い選手を抜くために左から追い抜き始める。
後ろからついて一緒に抜こうとしたら3台目を抜いた時点でスピードが止まる。
つまり並走し始めたのでこれでは違反を取られてしまう。
強引に左から追い抜いたら左からレースマーシャルのバイクが
接近して何かをメモしている。
「あちゃー、違反を取られたか?」と思ったが
後で結果をみると何も違反は無い。

レース後ジミーさんから「きっと違反は前を塞いだ先週が
ブロッキングで違反を取られたんだよ」とのこと。
あぁ、そういうこともあるのかと勉強になる。
やはりレース経験が多いといろいろご存知だと思う。

15キロ地点で最初の下り坂、緩い右カーブ。
下りでスピードが出ていたのでサイコンに目を落とすと46キロ
という数字が見えて、視線を前方に移したら
前輪が道の端にあるコンクリートの段差を踏んだ。
そう思ったとたん右側の側溝に落ちた!

落車した途端にバイクは前方に、ボクは段差のコンクリートの
角で左の脇腹をしたたかに打った。
そのまま前に回転し、左の方を擦って行く。

左膝にも痛みがあるが、とにかくバイクを側溝から引き上げ
フレームとウィールをチェックする。
何も変形していないし、ブレーキも利くようだ。
これなら走れると判断した。

自分の身体を触ってみるが血が出ているのは左のひじと膝だけ。
左肩が痛むが見えない、ヘルメットに傷はないし
腕はちゃんと動かせるので鎖骨は大丈夫のようだ。

周りにボトルや工具が落ちていないか確認していると
追い抜いていく選手が「大丈夫か?」と声をかけてくれる。
「ああ、たぶん大丈夫!」と答えるが「マジ?」って心の中で思った。

再度走り出してからしばらくは細くてクネクネした道が続く。
とにかく直線になるまでなんとかこのまま行くしか無い。
フロントディレーラーが動かない。
レバーを動かしてもギアが変わらない。
インナーギアに入ったままで走り続ける。
この先どんなコースなのかわからないがこのまま行くしか無い。

30キロほど走って直線になり、道路脇にポータブルトイレを発見。
たぶん道路の補修作業をする人たちのためのものだろう。
そこで用を足して、ようやくワイヤーを直せないか
手持ちの工具でいじってみるが直せない。
レース後にわかったことだが、転倒した時にレバーが引き上げられて
ワイヤーが伸びていた。
レバー側を調整するのではなく、後ろのディレーラー側の端を引っ張って
閉め直せば良かったのだと気がついた。

バイクは残り130キロ、気温はどんどん上昇している。
この時点で脚が回らない、重く感じる。
転倒のせいで筋肉が一時的に緊張していたのだろうか。

ワイナリーをつなぐアップダウンの続く道を走り続ける。
美しい風景が続くのだが楽しむゆとりが無い。
一周目の最後で大きな坂、ここで太ももが悲鳴をあげた。
自転車をとめてストレッチを使用とするがかえって脚が攣る。
痛みでうなりながらストレッチを繰り返す。

坂の途中から再スタート、見えない坂の上から声がする。
「ここが坂の頂上だよ!」と言っている。
ようやく坂をこえるとWindsor高校に到着、2週目の開始。
スペシャルエイドバッグを取り、エナジードリンクを交換。

二週目に入る頃には気温は100°F(37.7℃)を超えていたようだ。
風が温風に変わる。
幸いルートには大きな木が所々木陰を作っていたのだが
それでもトライスーツだけで日焼け対策をしてこなかった選手達の腕は真っ赤になってきた。
De SotoのCool Wingsはかなり有効で、エイドステーションで
水をかけると気化熱を奪ってかなり涼しく感じる。
しかし今日はそれも10分程度で乾いてしまうほど暑い。

Vineman 25th anniversary 2014

二周目は暑さとの戦い。
エイドステーション毎に日本の水を受け取り
一本は飲用、二本目は冷却用に身体にかけ続けた。

それでも集中力が無くなってきていたのか
途中のT路地で方向を間違えてコースから外れてしまう。
結局4キロのロス、馬鹿だな。

T2まで残り30キロあたりで右の肘パッドが下がって
エアロボジションが取れなくなる。
転倒した時にネジが緩んだのか、徐々に下がってきていたらしい。
ここで修正するために止まるのか、それともこのまま行くのか考えたが
残りのコースは市街地も入るのでエアロポジションを取る機会は少ないと判断
エアロバーが曲がったままレース続行。

そしてT2に到着。
バッグを開けて迷い無くつばの広い帽子を取り出す。
重くて風の抵抗はあるが、絶対にこの方が熱対策になると確信があった。
日焼け止めをたっぷり塗る。

隣の同じエイジグループの選手が
「俺はもうダメだ、ここでリタイアするよ」と言った。
「まだレースは終わってないぜ」と言おうと思ったがやめた。
それは彼の選択だ、ボクが励まして走り出しても
彼が熱射病で倒れても責任は取れない。

一度飛び出してサングラスをかけ忘れたのに気がついて引き返す。
ちゃんと頭が動いていない。
T2での滞在時間が長いのは無駄な動きが多かったから。
脚が痛い、重い、苦しい。
この為にブリックトレーニングしたのじゃないか?
それでも痛みには変わりない、これであと42.195キロ走れるのか?
自問自答しながらランスタート。

続く

バイク篇の写真はJeff Kapic氏の2014年のレースからのものです。
彼のサイトはwww.jeffkapic.com

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