物欲からの解放、もしくは支配

週末偉い先生の講演を聞く機会がありました。
先生の名前はDr. Lou Marinoff、哲学の先生であります。
全部はとても説明出来ないので、一つだけ興味があったことを書きます。

彼が紹介したのがこの絵画『アテナイの学堂』
アテナイの学堂

イタリア、ルネッサンス期の画家ラフェエロ・サンティの作品です。
皆さんもきっとどこかでご覧になったことがあるでしょう。

この絵に描かれているのは有名な哲学者、思想家を表したと言われています。
ところがこの絵の階段にだらしなく座り込んでいる
あるいは寝転んでいるおっさんがいます。
これは哲学者ディオゲネス。
彼についての詳細はここでお読みください。

「ディオゲネスは「徳」が人生の目的であり、欲望から解放されて自足すること、動じない心を持つことが重要だと考えた。そのため肉体的・精神的な鍛錬を重んじた。」

これは小乗仏教で教える「滅私無欲」と同じです。
「人間の悩みや苦しみは全て欲望から生まれる
ならばその欲望を無くせば悟りを得るとこができる。」
ここから始まったのが禅であり、瞑想、内観と呼ばれる修行です。

実はこれには矛盾があって、こういった矛盾を解決する方法を
研究しているのがDr. Marinoffと言ってかまわないと思います。

その矛盾とは「悟りを得るという欲望は無欲とは相反する。
また悟りを得る為に生きる事も、生きるという欲が無ければありえない。」

つまり究極の無欲とは死ぬ以外に達成できないことなのですが
「死ぬ」という欲望も持ってはいけないとすると無視無欲とは
現実の世界からかけ離れた机上の空論ということになります。

こんな訳のわからん話をわかりやすく、面白く解説。
一時間半のレクチャーはあっという間に過ぎたのでした。
最後はスタンディングオベーションでした。

さて、家に帰って自分の欲望とうやつをつらつら考えてみた訳です。
特にトライアスロンに関してね。

最近Garmin 910XTとかGarmin 410でもいいから
安いやつがでないかなぁとかネットで検索したわけです。
それ以降cookieに検索事項が残っていて
他のサイトへ行ってもADにそれらの商品が現れる。
その度に物欲大魔王にそそのかされそうになっちゃうのね。

ちょっと待てよ。

おいらはどうせ素人でレースだってエイジブグルームの中の下くらいの
タイムなのにこんな物買ってどうする?

昔のトライアスリートはこんな物使ってなかったんだぜ?
GPS時計を使ったトレーニングはありえなかった。

カーボンフレームのバイクなんて無かったんだぜ。
TTバーなんてほとんどの選手は持っていなかったのに
みんなちゃんと完走していたんじゃないのか?

オレはレースで誰かに勝つ事が目的じゃなくて
自分の限界に挑戦するのが目的だったんじゃいのか?

それに泳ぐ、バイクに乗る、走る事が楽しいからトライアスロンを
やっているんじゃないのか?

物欲に惑わされて、物に頼っても自分の身体と精神が
その器械に勝る事とはかぎらないのじゃないのか?

まぁ、そんなことを考えて始めてしまったわけね。
人間ちゅーのは矛盾に満ちた生き物で、その存在自体が矛盾だと思うわけですよ。
欲望が無ければ成長もないけれど、欲望が満たされないと苦しむ。
欲望を無くす事が無理なのに、苦しみから逃れたいとあがく。

前記のDr. Marinoffが言っていたのは
「欲望はあってよい、むしろ必然的なものだ。
ただし人間は知性と強い精神力でコントロールすべきだ。
大乗仏教で教える『変毒移薬』とは、小乗教では悪害として存在した欲望を
良い方向へと向かう情熱へと昇華させること。」

さてこの教えを実生活に応用するというのが今後の課題なのだな。

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